立ち去ろうとした足が止まる

「あの人、正直肌汚いよね」「まぁ歳だし仕方ないんじゃない?」若い子達の会話を偶然聞いてしまった。前後の会話から察するに、明らかに私の事を指している。

気を使いきちんと手入れをしているけど、それだけじゃ半分程の子達には敵うはずも無く、仕方ないでしょう。

「でもうちの母親はさ、肌超綺麗だよ」えっ?っと、反射的に項垂れていた首を持ち上げる。「ホントに?いくつだっけ?何かやってるの?」立ち聞きはいけないと思いつつも、先が気になってしまう。

「確か変えてから、見違える程綺麗になったよ」そんなはずはない。私だってちゃんと高い物を使っているのに、あの言われよう。

「え、何て商品?使ってみたい!」立ち去ろうとした足が止まる。信じる訳じゃないけど一応聞いておこうか。「それが年齢に合わせたものなんだって」

成る程そういうことか!そこは気にした事無かった。同じでもいいはず、さぁ名前を教えて!興奮していると聞こえてきたのは「なーんだ、じゃあ意味無いねー」という言葉。

あぁ…残念。でも良い事を聞いた。家に帰ってから調べよう。